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クルマ

高齢者の交通事故が多発中 高齢者ドライバーについて考える

2019年5月12日

目次

高齢者の事故

この記事を書いているのは2019年の1月です。

年明け直後ではありますが、テレビでは連日のように高齢者の交通事故のニュースが飛び込んできます。

 

高速道路を逆走する軽トラック、幹線道路の反対車線の逆走、信号無視、操作ミスによる前進、バックでの衝突、歩道乗り上げなどなど、上げるとキリがありません。

現在の道交法はどうなっているのでしょうか?。

今回の記事では、多発する高齢者の事故について考えてみたいと思います。

 

 

高齢者事故

東京池袋で起きた80代のお年寄りが親子二人の尊い命を奪った痛ましい事故。

2019年4月に池袋で起きた横断歩道を横断中の親子を80代の高齢者が運転する乗用車が暴走し、親子が死亡した痛ましい事故のニュースです。

高齢者の事故が相次ぐなか、世間を震撼させた凄惨な事故です。

このような事故は二度とあってはなりません。

 

 

 

この動画を観ているだけでも高齢者ドライバーの運転が如何に危険かが分かります。

日々飛び交う高齢者運転による事故を観るたびに、高齢ドライバーの免許取得(更新)に関する道路交通法の改正は無いのか?と心配になります。

日本の道交法は一体どうなっているのでしょうか!?。

70歳以上からは任意で高齢者マークを付ける事も推奨されていますが、実際の装着率は低いようです。事実、私の両親も健在であり70歳以上の高齢者であるにも関わらず、高齢者マークを付けたがらないのが実情です。

本人らに「何故、高齢者マークを付けないのか?」と聞くと、どうやらプライドが邪魔しているようです。彼ら彼女らは普通免許を取得してから既に30年50年以上のベテランドライバーであり、「高齢者マーク」を付ける事で、「自分は既に高齢者であり、運転技術や判断の遅れなどにより周囲に迷惑を掛ける恐れがある」という看板を背負って走ること事態が「プライドを傷付ける」らしいのです。

しかしながら、実際に事故を起こしてからでは遅いのですよ!両親!!。

「プライドを傷つけられる」前に「人を傷つける」恐れがある訳です。

もっとも高齢者マークを付けたからとて事故が極端に減る訳ではないのですが、周囲のドライバーに注意喚起をする事は十分可能なわけです。

 

 

 

道路交通法の改正

平成29年3月12日施行の道路交通法の改正では、75歳以上の高齢運転者についての変更がありました。

  1. 運転免許更新時(3年に一度)認知機能検査を受ける
  2. 規定の18の違反行為をした場合、臨時の認知機能検査を受ける

の2つの事項が盛り込まれたそうです。

 

果たしてこれだけで十分と言えるのでしょうか?。

 

道路交通法とは

道路における危険を防止し、その他交通の安全と円滑を図り、及び道路の交通に起因する障害の防止に資することを目的とする日本の法律である。

車両等をうんてんして本法に違反すると「懲役・禁錮・罰金などの刑事処分」「累積点数で免許証の効力が停止または取り消される行政処分」が課されるとともに、民法及び自動車損害賠償法により「被害者の損害を賠償する民事処分」が課される。

 

現在置かれている状況としては、高齢者による悪質とも思われる事故が多発し、尊い命が犠牲になっている痛ましい交通事故も発生しているのが事実です。

この平成29年に改正された道交法のうち、2の「規定の18の違反行為をした場合、臨時の認知機能検査を受ける」とは、信号無視、指定場所一時不停止、通行禁止違反(逆走など)、指定通行区分違反(直進れーんから右折など)、交差点優先車妨害(直進車の進行を妨げる)などが盛り込まれているようです。

しかし、この改正された道交法の定義は、規定の18の違反行為をした場合とされています。

これにより警察のご厄介になった高齢ドライバーは医師の診断を受けるとされています。

つまり、その兆候が発覚して実際に道交法違反で捕まった後にとるべき処置であり、根本的な解決には至っていません。何故なら、その違反をしている時点で既に周囲の交通の脅威となっている可能性が否定できないからです。高齢者の運転の過失により仮に事故に至っていなかったにしても、周囲のドライバーに「ヒヤッ!」とさせている事は容易に想像が付きます。

つまり、このように違反をした事実が発覚する云々の前に、お年寄りによる事故を防ぐ事が急務とされているのです。

昨今の道交法もちょっと(かなり)甘いように感じるのは私だけでしょうか?。

 

 

高齢者がクルマを運転する理由

先のYoutube動画の中でもありあしたが、お年寄りがクルマを運転しなければならないそもそもの理由は地方の交通事情も関係しています。

首都圏のように公共交通網の発達に乏しい地方の場合、何をするにしてもクルマが無ければ生活が成り立ちません。

日々の買い物、病院、市役所、銀行などなど、何処に行くにもクルマがないと何も出来ません。

タクシーを利用するにしても、年金ぐらしの高齢者にとっての往復のタクシー代はかなりの金銭的負担になるはずです。クルマが無い場合のタクシーの利用を考えてみた場合、一日に1,000円×2往復。¥これが1ヶ月最低でも20日あったとした場合でも、月のタクシー代は2,000円×20日=40,000円。年間では480,000円かなりの出費です。これであれば軽自動車をローンで買った返済金額や維持費、保険代を考えてみても、クルマを所有した場合のほうが明らかに負担が少なくて済みます。

「高齢者がクルマを運転する理由」というよりは「高齢者がクルマを運転しなければならない理由」とタイトルを付けたほうが正解かも知れません。

 

 

高齢者が事故を起こすメカニズムを考える

免許を取るために教習所に通った際の学科で、運転について学んだ際のこと。

自動車の運転は、

 

認知 ➡ 判断 ➡ 操作

 

を繰り返すことで行われていると教わりました。

この、認知、判断、操作の3つのステップのいずれかの動作に間違いや遅れが生じた場合、事故に繋がるとされています。

 

お年寄りの事故に多い特徴として

 

①認知 ➡ 認知の遅れや認知が出来ない

②判断 ➡ 判断の遅れやミス

③操作 ➡ 操作の遅れやミス

 

が原因である事が考えられます。

 

①認知

認知とは、クルマを運転している過程において、周囲の状況を視覚(目)と聴覚(耳)で感じて、最終的に脳にその信号を伝達する作業を指します。

道路を走っている状況で考えれば、「前方の信号が赤に変わった」、「前のクルマが止まった」、「後続車がいる」など、視覚や聴覚で判断しているわけですが、高齢者になるとこの認知の遅れもしくは、認知を怠るという問題が発生してしまいます。

認知が出来なければ必然的にその後の判断にも操作にも至らない訳ですから、自分の車両の周辺の交通状況に対応出来ずに事故に至ってしまいます。

 

②判断

認知をした次の作業が「判断」になる訳ですが、この判断は脳の能力が最も重要な役割を占めます。

特に高齢者に至っては、この「判断の遅れ」「判断ミス」により、事故に至るケースが多いと感じます。

判断が遅れれ操作にも遅れが生じますし、判断をミスれは操作自体にミスも生じていしまいます。

 

 

③操作

仮に正確に認知が出来て、正確な判断が出来たとしても、最終的に操作をミスしてしまえば事故に至ってしまいます。

特にこの操作の部分で言えば、お年寄りの事故で多いアクセルとブレーキの踏み間違いによる衝突事故など。先の動画でありましたが、踏切の手前で立ち往生している普通車が急なアクセルにより標識にぶつかってしまうシーン。明らかに操作ミスによるものです、しかし、この場合も、もしかしたら認知か判断のいずれかの過程においてミスがあったのかも知れません。認知では「ハンドルを切り返さなくても行ける!」と思っていたかも知れませんし、実際にそれが「判断のミス」であったかも知れません。

 

このように、「認知 ➡ 判断 ➡ 操作」のどの過程がおろそかになっても事故の至るという事がよく分かりますね。

 

 

高齢者運転のミスを減らすために

では、高齢者の運転ミスによる事故を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?。

あくまでも個人的な意見としてまとめます。

 

法令改正案①  免許更新時の適性検査と技能試験を盛り込む

70歳から74歳までの高齢者の免許の更新時においては高齢者講習を受講しないと免許証の更新が出来ないとされています。

この高齢者講習は実際に実技による講習もあるとされていますが、実際にこの試験を受講されて問題が発覚したとしても注意喚起(指導)のみで講習が終了しているようです。

結局のところ、この時点で問題が発覚している高齢者ドライバーを見て見ぬふりをして野放しにしているようなものです。

普通免許取得時の「卒業検定」のように、もう一度緊迫した状況において「実技試験」を実施し、合格された方のみが免許の更新が出来るなどしたほうが、より安全であると考えます。

 

法令改正案②  自動ブレーキ搭載車のみ運転可能とする

スバルのアイサイトに代表される「自動ブレーキ」ですが、70歳以上の高齢者は「自動ブレーキ搭載車」のみ運転を認めるという法令改正は有効では無いかと考えます。

視力の低い方は「眼鏡等使用」が備考欄に記載されます。これは視力の能力が低いとされるために運転中はメガネを常に掛けなさいという事ですから、同様のように「70歳以上の高齢者は自動ブレーキ搭載車」のみの運転を認めるとしたほうが、アクセル・ブレーキの踏み間違いによる事故を大幅に防ぐ事が可能と思います。

現に自動ブレーキ搭載車を運転するお年寄りの事故の件数が毛減っているとのデータも上がっているそうです。一昔前であればこの自動ブレーキもスバルの独壇場とされてえいた部分もありましたが、近年ではようやく他社メーカーの技術力もスバルに追いついてきたようです。

いっその事、国内メーカーのすべての自動ブレーキはスバルから仕入れたほうが良いのでは?と思います。

 

 

厳しすぎる意見には訳がある

ここまで読んでくれた方の中には、もしかしたら「お年寄りに厳し過ぎるのでは?」と感じた方も多いと思いますが、ここまで厳しい意見を申し上げているのには理由があります。

一つは、お年寄りの判断や操作ミスにより尊い命が現に失われているという実態があるからです。もちろんこれは、高齢者ドライバーによるのもだけではなく、我々一般のドライバーにも言える事です。誰がいつどこで事故を起こすかなんで、誰にもわかりません。絶対に事故を起こさないという保証もありません。

学校に登校中の小学生の列に高齢者ドライバーの運転するクルマが突っ込み、複数の自動が死傷したという痛ましい事故もありました。

尊い命を犠牲にしたくない。

そして、高齢者がそのような事故を起こしてしまった後の事も考えてしまいます。人一人交通事故にて死亡させた場合、最低でも10年15年は刑務所で服役しなければならない訳です。残された少ない余生を刑務所で一人孤独に過ごす高齢者というのも気の毒です。もしも、自分の身内がそのような目に遭ったら....という事も想像してしまうと、とてもいたたまれない気持ちになります。

交通事故を起こすと、被害者も加害者も苦しい思いをしながら生きて行かなければなりません。

そのような痛ましい事故を未然に防ぐ抜本的な法整備や仕組みづくりなどが急務であると考えます。

 

 

まとめ

高齢者ドライバーによる人身事故も防ぎつつ、高齢者の残された余生を充実したものにするためには、法整備が不可欠です。

一般ドライバーにも言える事ですが、事故は起こしてからでは取り返しが付きません。

一人のドライバーとして、誰もが安心して運転が出来て、歩道を歩く事ができる環境が少しでも早く実現できるように願います。

 

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