自分もあがり症だった
- 人前で話す事が苦手
- 人前に出ただけで心臓が飛び出しそうになる
- 膝の震えが止らない........
そんな悩みを持っている人は少なくないと思います。
何故、このような記事を書こうと思ったのか?
一つには自分があがり症であったこと、そして最近それを克服する事が出来た(以前よりは)と自分自身で手応えを感じてきたからに他なりません。
自分は極度のあがり症です(でした)。
あがり症であるのにも関わらず、以前の職場では現場のトップだった事から40名の部下の前で話をする機会も多かったのですが、初対面の方々の前で話すのならともかく普段から一緒に仕事をしている仲間の前で話すことさえも緊張して、心拍が上がる、膝が震える、過呼吸になる、明らかに挙動がおかしい(原稿を落とすとか)などなど、お恥ずかしい武勇伝は数え切れません。
しかし最近、とある一つの事を思いつき実践し続けた結果、以前に比べてあがり症を克服出来たと思う実践方法を思いつきました。
それを日々心がけているうちに、人前で話す事もだんだんと平気になったのです。
今回は、自分と同じようにあがり症で悩んでいる方向けに、自分がこれまであがり症克服のために実践してきた事を余すことなくお伝えしたいと思います。
ちょっと長いエントリーになりますが、是非、最後までお付き合いください。
あがり症のメカニズム
あがり症とは、対人恐怖症とも呼ばれる
あがり症は対人場面で不当な不安や緊張が生じて、嫌がられるとか不快感を与えるのではと考え、対人関係から身を引こうとする神経症の一種であるとされる。
この症状は、俗にあがり症とも呼ばれ、他人の前での過去の失敗談をきっかけに、人前で症状が出る事を極度に恐れ、他社の眼の前で極度の緊張にさいなまれる。多くは思春期によく見られ、軽いものは自然に治ってしまう。一方で社会生活に支障をきたすほどの不安が高まってしまう場合、神経症として治療が必要である。軽度のものをあがり症や舞台恐怖とも呼び、ひきこもりを伴う社会的生活に支障をきたすほど重度ものもを「対人恐怖症」と呼ぶ傾向があるが、厳密にくべつする定義はなく、その根本は同じと考えられる。
※ウィキペディアより抜粋
人前に出ると心臓がバクバクする、声が上ずる、膝がガタガタする、過呼吸になる、など。
私自身が過去に何度も経験してきたこの傾向こそが、対人恐怖症いわゆる「あがり症」と言われるものです。
これは、血中に含まれるノルアドレナリンによって交感神経が刺激されることによって発症してしまうとされています。
多くは、過去の失敗談を脳が記憶していて、「また失敗したらどうしよう」と自分を追い込んでしまうために、想像しただけでその症状が現れてしまいます。
あがり症を発症する場面
あがり症を発症すると思われる場面を振り返ってみます。
- ステージ上など人前で何かを話すときや発表するとき
- 初対面の人と話(電話)をする場面
- 満員電車やバスの車内
- 並んでいるレジやチケット売り場で先頭に立ったとき
- 横断歩道を一人で渡るとき
- 面接や面談の場
- 気になる異性と会話するとき
- 気になる異性と二人きりになったとき
- 慣れない環境で仕事をするとき
などなど。
これらの中でもあがり症ではない人から見れば、「横断歩道を渡る時」、「チケット売り場で先頭になったとき」など、なんでそんな場面で緊張してしまうの?と疑問に感じてしまうかも知れません。
しかし、これがあがり症の実態です。
私は過去の経験談から、渋滞している大きい交差点の横断歩道を一人で渡るのが苦手でした。
信号待ちをしている車のドライバーやバスの乗客から 「自分はどのように見られているのか?」とか余計な事を考えてしまうと緊張してしまいます。
ほんとに極度のあがり症ですよね....。
あと、過去には気になる人....つまりは付き合う前の人との始めてのデートで車内に二人っきりになった瞬間などは声が上ずったり心拍が上がったり......。
当然、相手にはその事を悟られまいと気丈に振る舞おうと努力するのですが、意識すればするほど緊張が増長してしまい、窓を開けたり音楽のボリュームを上げたりナビをいじってみたりと自分と相手の意識を何処かにそらそうと努力する訳です。
あがり症の人ならばきっと経験があるのではないでしょうか?。
自分の経験をもとに分析
このあがり症については、自分自身も過去に辛い思いを何度も経験してきました。
「どうしてあの人は人前で流暢に話せるのに、自分は話したい事がまともに喋られないのだろう.....」と理不尽な思いをした事は数え切れないほどあります。
冒頭でも触れましたが、過去の職場での話。
社員数名とパート・アルバイト全員を集めて行う定例の月次ミーティングや年に一度の会社の方針発表会などの場で、前年度の実績や今期の取り組みや改革、数値目標などをパワポを使って皆の前で説明をしなければならない場面が何度もありました。
声が上ずり、話したい事の5~6割も話せません。
全てはスライド頼みです。
でも、まだスライドがあったから良かったもの。これが何もなくてマイクスタンド1本だったら......ほぼ固まっていたでしょう。
あがり症は真面目な人に多いと聞きます。
その性格から判断出来るあがり症になりやすい人の特徴を箇条書きで下記にまとめてみます。
- 性格が真面目で消極的
- 自分に自信がない
- 自分をよく見せたい
- 人に嫌われたくない
- 人によく思われたい
などなど。
あなたは幾つ該当しましたか?。
私自身が自分を分析すると、特に最初の「性格が真面目」という項目が当てはまると思います。人から「〇〇さんって真面目だよね~」ってよく言われますが、実はこれがトラウマになっているのも事実。
一見すると真面目な人って決して悪いことでは無いと思うのです。不真面目と言われるくらいなら真面目と言われたほうが人徳も多いと考えるのが普通です。
しかし、「真面目」という性格を分析してみると、一方では 「真面目」=「融通が効かない(頑固)」 という解釈も出来ます。
「融通が効かない」とは、会社などでの縦社会で上司から言われてしまえば、「お前は融通が効かないな....」と言われる事自体が「使えない人間、使いづらい人間」という極端な捉え方をしてしまったのではと考えます。
なんとか社会や他人から認められたいという思いが強すぎるあまり、そのような「融通が効かない人間」と思われてしまい、結果自分自身に「自分は融通が効かない頑固な人間」=「使えない人間」と思われる事を恐れ、人から「真面目」と言われる事がトラウマになったものと自分自身を分析します。
つまり、自分の場合、「人からよく思われたい」や、「人に嫌われたくない」と思う意識が強すぎるために極度のあがり症になってしまったと冷静に分析しています。
「真面目だね」と言われるキーワードを上司や目上の人から言われるのならまだしも、上司や友達、彼女から言われた日にはもう立ち直れないのです......笑。
己を知る
このように、あがり症を克服するためには、まずは自分自身と真剣に向き合う事から始めなければなりません。
自分がどういう人間でどのような場面で「キーワード」となる言葉を第三者から浴びせられた時に嫌悪感を抱いてしまうのか?、どのような場面であがり症を発症してしまうのか?を知る事で解決策はきっと見えてきます。
皆さんも、一度冷静になって自分自身と真剣に向き合ってみてください。
自分が克服するために実践した10のこと
ここからは自分がどうやってそのあがり症を克服していったのか、経験談をもとにまとめていきます。
出来るだけ詳しく書いていきたいと思いますが、これから書くこと自体が全ての人に当てはまる訳ではないと思いますので、自分に該当するという部分だけ参考にして頂ければ幸いです。
日々のメンタルトレーニング
①日頃の自分を観察する
前項でも書きましたが、まずは自分自身と真剣に向き合うことから始めましょう。
自分の性格はどうですか!?。真面目なのか不真面目なのかから分析を開始します。
また、人から言われる事で嫌悪感を抱いてしまうワードは無いですか?(私の場合は「真面目ですね....」でした)。
どんな場面で緊張しますか?箇条書きで全て書き出して見ましょう。⇨(これが後から役に立ちます)。
また、普段から自分をよく見せたい、嫌われたくないと思っている人は、自分の顔や体にコンプレックスを持っている人が多いそうです。
例えば、
他人に比べて自分は.....
- 身長が低い(高い)
- 人相が悪い
- イケメンでない
- 太っている(ぽっちゃり体型)
- 足が短い
- 足が太い
- 人の目に触れるところに傷がある
- 腕や足の毛が濃い
- 髪が癖毛である
- ニキビがある
など。
私は結構該当するものがあります.....。
だから思春期はホント大変でした。
やはり自分自身の容姿を同年代の友達と比べてしまいますし、何より友達からその指摘を受けてしまうとそれがトラウマになってしまい、人前に出た際にそのトラウマをみんなに見られていると意識が過剰になってしまいます。
克服する前に、まずは、自分のコンプレックスと感じている部分も書き出してしまいましょう。
何度も言いますが、大事な事はまず「己を知る」ことです。
②人から見られる事に慣れるための効果的トレーニング
自分自信にコンプレックスを感じていたり、人からよく思われたい、嫌われたくないなど、とにかく人の目が怖いあなた。
普段から人の目ばかりを気にして行動する事がクセになっているはずです。
まずは大きい交差点を一人で渡ってみて下さい。
緊張しますか?
いや、人の目を気にするあなたはきっと緊張するはずです。
これを克服するには、自分の意識の改革しかありません。
意識の改革と言うとちょっと大袈裟かも知れませんが、イメージトレーニングしかありません。言い換えれば自分自身に暗示をかけます。
- 「私は女優だ」
- 「私は俳優で、この横断歩道を渡る演技を今からする」
- 「この道路に集まった大勢の群衆は私のに会いたくて集まってきた人だ」
これらの過剰な意識をすることに抵抗があるのなら、ガラッとパターンを変えましょう。
- 人からどう見れれても構わない
- どう見られても気にしない
- 自分なんか人からどうも思われていない
- 足が短くて何が悪い!!
これは言わば「開き直り療法」(自分が命名しました)です.......笑。
気をつけて欲しいのが、決して悲観的になってはいけないという事。
悲観的になり過ぎると自己嫌悪に陥る恐れがあります。あくまでも人目を気にしなくなる為の荒療治であることを忘れないで下さい。
③他人は以外と自分の事を見ていないという事に早く気づく
自分が他人からどう思われているか?とか、緊張しているという事実が他人に悟られていないか?などは、実は以外と他人には伝わっていないという事に早く気づくべきです。
しかしこれは個人差があるかも知れませんので誤解なきようにお願いします。
これは私自身が自己改革を進めてきた過程において気づいたことです。
人は以外と自分の事を見ていない
のです。
余談ですが、とある政治活動に関わっている都合で後援会の事務局長を努めているのですが、事務局長とは名ばかりで実際のところは雑用が殆どの私。
政治活動の一環で、その政治活動の報告会を兼ねた忘年会が2017年の12月に開催されました。
予定では80名の後援会会員から地域の有力者の皆様を集めての忘年会で司会を仰せつかる事に...。
40名程度の中での司会役は普段から経験があるのですが、80名は始めての経験でした。
レジメを1が月前から用意して、一人で何度もリハーサルをやりました。
詳しくは下記に書いていきますが、まぁこんな記事を書いておきながらですけど、当日は若干の緊張もあったことも事実ですが、事前準備や日頃の意識改革が功を奏して会は無事に終わりました。
すると翌日、数名の方から電話がありました。
とお褒めの言葉ばかりで以外でした。
その会話の中で
と話すも、そのお相手からは
とのお言葉を頂戴しました。
これを一人から言われただけでは信憑性に欠けますが、その会場の従業員さんからも言われましたし、後援会の数名の方からも言われたのです。
これは自慢でも何でもありません。
伝えたいことは、自分が意識しているよりも相手にはそれが伝わっていない という事に早く気づいて欲しいのです。
あがり症の人に多い傾向としては、とにかく人の目が気になったり、人からどう見られているか他人の評価が気になって仕方がないあまり、ついつい結果ばかりを求めてしまいます。
しかし、他人にはそれほど伝わっていないのが現実なのです。
しかも、その会場にいる80人のうち、実際に自分の話(司会)を聞いている人は全体の50%、自分に視線を向けている人は全体の30%程度しかありません。
これは、何かで計測したり調査した訳ではないのですが、過去の経験においても実際のところはそんなものなのです。
仮にそうではなかったにしても、司会業に留まらず自分がスピーチをする場面などで、そのような数字の裏付けで考えたほうが気が楽ではないですか?
自分を過剰に評価しすぎてもダメなのです。
実際にあがり症を克服した暁には、ステージ上から冷静に会場内を見回してみましょう。
果たして何割くらいの人と目が合うでしょうか?
実際は3割程度です。
司会業の場合は冒頭の1分間程度は視線が集まるかも知れませんが、それもいいところ最初の1分程度。
あとは「話が長いな......」程度でしか周りは聞いてませんから.....。
自分自信を含め、これを読んで下さっている皆さんが有名人であって、人からも一目を置かれるほどの芸能人や大物政治家でもない限り、自分自身の発言やスピーチはそれほど注目されていないと安易に考えることが大切です。
これは 何度も 何度も 何度も 自己暗示を掛ける事で絶対に実現できます。
「自分の話はこの会場の半分しか聞いていない」
「自分を見ている人はこの会場の3割程度だ」
「どうせ自分の話なんて半分も聞いてくれいない....」
注:半分は「開き直り療法」ですからね!。
これで緊張が若干ほぐれると思います。
事前準備編
④レジメの準備
レジメとは一般的には要旨、要約、摘要、概要などを意味しますが、ここではスピーチの話の内容であったり、司会業としては進行表(プログラムが進行しやすいように自分用に細かくまとめたもの)という意味で用いています。
普段からの意識改革やイメージとレーニング、自己暗示も勿論大切ですが、結婚式などのスピーチや何かの集まりの場でのスピーチを頼まれた時などでは、その話す内容をまとめたレジメの作成の精度によってその成功失敗の結果が別れてしまいます。
そのくらいレジメは大切です。
スピーチの場合
当日の状況を鑑みて作成しますが、ポイントは二つ。
- 3分間程度のスピーチの場合は、出来る限り暗記したほうがいい。
- 話す要点だけを出来るだけ大文字で書き記したメモを手に持つ。
です。
短いスピーチの場面などでは、かえってレジメが邪魔になってしまう事があります。
レジメだけを読みながらスピーチをしてしまうと会場がしらけてしまうかも知れませんし、レジメからちょっと目を話してレジメに視線を戻した瞬間に読む場所を見失ってパニックになり緊張を増長させる恐れがあります(経験あり)。
なので短いスピーチの場合、出来ることなら暗記。
暗記が難しいのなら、話す内容を大きな文字で箇条書き。
司会の場合
司会の場合は、レジメの製作精度によって成否の8割が決まると言っても過言ではありません。
プログラムを基にして製作をしますが、特に会の始まりの1分間の話し方で司会としての能力の是非を問われるようなもの。
司会進行という役柄に不慣れな場合は、その場に応じて一言一句を原稿にして準備したほうが良いと思います。
むしろ、司会に関してはレジメが無いと、1時間~2時間の会の進行のすべてを頭に叩き込まなければならないので、ある意味受験生並に暗記をしなければならない事になります。
司会役で一番緊張するのが、先程も言った通り会の始まりの最初の1分間です。
この1分間は会場内すべての人の視線が司会者に集まります。
言ってみれば、この最初の1分間さえ凌げれば司会はそれほど難しいものではありません。
司会についても、前項のスピーチと同様に原稿ばかり見ている訳には行きませんので、時折会場内にも視線を移動しなければなりません。
この場合についても会場内の人と目を合わせないのが得策です。
会の開催前に会場を見回し、本番中に会場内を見回す時に送る視線の先を探しておきましょう。
そうすることで、本番中の緊張感の緩和に一躍買ってくれると思います。
また、演台がある場合、体の半分を演台で隠す事が出来るので、体コンプレックスを持っている方の場合、これも緊張感の緩和に役立ちます。
体の半分は会場内の人の目に触れる事がないので、ある意味リスクを半分回避出来るようなもの。
会場となる場所、例えば社内の会議室などで行う場合などによっては演台が無い場合も想定されますが、自分で代用出来るようなものがあれば準備しておきます。
また、どこかの会場をお借りして行う会の場合は、会場のスタッフと事前に打ち合わせて準備してもらうようにします。
演台が無いとレジメを置く場所も無いので、司会進行に支障が出る場合もありますので注意してください。
司会としての話し方ですが、あがり症の人の場合は話すスピードが早過ぎてしまうとと過呼吸になる可能性があります。
過呼吸にならないために必要な事は、ゆっくり話すこと。
レジメに文章を落とし込む場合は、あらかじめ段落や改行をうまく使い、ここで息継ぎするとか印を付けておくと上手くいきます。
⑤参考資料 司会進行用のレジメ
本日は お忙しいところ お集まり頂きまして 誠にありがとうございます。
また 日頃より 〇〇に際しまして ご理解とご協力を賜り 厚く御礼申し上げます
ご紹介が遅れましたが わたくし 本日の司会をさせて頂きます 〇〇と申します
至らぬ点もあるかとは存じますが どうぞ 最後まで宜しくお願い致します
上記のように出来るだけ大きい文字で書き、スペースを適所に配置することで息継ぎの場所やタイミングを事前に把握する事が出来ます。
ポイントは難しい漢字はひらがな・カタカナで書くこと。
いざ本番の場面で緊張し過ぎて漢字が読めずに引っかかってしまうと、緊張のボルテージが急上昇してしまう危険があります。
そして、普段使わないような難しい言葉や言い回しは避けます。
プロでは無いので、それほどかしこまって難しい言葉を使いながら、そこで引っかかってしまうと、それこそ恥をさらすようなものです。
素人らしい簡素な表現のほうが、周囲に与える印章もソフトになりますし、何より司会者本人が楽です。
難しいレジメを作ったばかりに、自分の首を締めないようにしましょう。
⑥司会時のしぐさ
両手は演台に軽く乗せていおいたほうが気持ちが楽ですし、プロっぽく見せる事も出来ます。
あがり症の人の場合、ステージの中央でスピーチをする場合など、手の位置に違和感を感じる事があります。
つまり、手を前で組んだほうが良いのか、後ろで組んだほうが良いのか、気をつけ!状態で体の両端にまっすぐ据えたほうがいいのか。
演台があれば両手の位置に困ることはないので、緊張感を会場内に伝えないようにする事が出来ます。
あまり手の位置を置き換えたりすると、緊張しているのがバレバレになりますので、最初の1~2分間は何とかその姿勢を維持しましょう。
⑦練習は抜かりなく
素晴らしいレジメが揃ったら、今度は練習です。
実際に一人しかいない場所で出来るだけ本番に近い状況を作り、練習に励みます。
部活動と一緒で練習は嘘をつきません。
やればやっただけ本番中に自分に返ってきます。
何の練習もしなくてぶっつけ本番に挑み、結果失敗して自分を責めたとしても、将来的にそれがトラウマとして残るだけです。
何度も練習していくうちに、原稿も次第に暗記できるようにもなります。
手を抜かずに練習しましょう。
⑧イメージトレーニングを入念に
少しでも当日の緊張感をほぐすためにはイメージトレーニングを反復して行います。
当日の会場内の雰囲気と入客数を頭でイメージする事で、本番さながらの緊張感を事前に味わう事も出来るので、とてもいいトレーニングにもなります。
但し、そのイメージトレーニングの精度が本番とかけ離れたものであればあるほど、イメージとのギャップがあればあるほど返って緊張を増長させてしまうかも知れません。
そうならないためにも、可能であれば会場の下見などをして自分の立ち位置からの場内の風景を1枚写真に収めておけば、とてもよいイメージトレーニングになると思います。
これは私も普段から実践しています。
そのイメージトレーニングと平行して前項の練習を合わせて行えば一石二鳥です。
当日の心構え
⑨常に笑顔を心がける
次に表情ですが、頑張ってでも「笑顔」で出来るように心がけましょう。
会場内の最初の空気感を作るのは司会者です。
司会者の表情が固く強ばっていると、その表情が会場内に伝わって、聞いている側も極度の緊張が連鎖してしまうことがあります。
司会者が笑顔で和やかに会を進めて行けば、司会席の直前に座っているお客様も自然に和やかな表情で司会者を見てくれるかも知れません。
そのほうが司会者にとっては精神的に楽になります。
うその笑顔でもいいから、とにかく笑顔を心がけてみて下さい。
それが多少引きつった笑顔であったとしても、それはご愛嬌という事で.....笑。
すべては場内を和やかにして、自分が司会しやすい雰囲気を作るためなのです。
⑩眼鏡使用者はメガネを外す
もしもあなたが眼鏡使用者であれば、当日はメガネを外しましょう。
実はこれ、数年前から私があがり症克服の為に実践した第一歩だったのです。
ふとした事から、メガネを外してステージに上がろうと思い周りが良く見えない状態でステージに立ちました。
すると、周囲の視線がどこを見ているのかも分からずにただ「大勢の群衆の前で喋っているなぁ~」程度の意識のなか、普通に喋り始めることが出来ました。
全く緊張しなかったと言ったら嘘になりますが、やはり適度な緊張感もある意味大切です。
要はその適度な緊張感を通り越していわゆる「あがり」の状態を回避するための手法としてはアリなんだと思います。
そのステージに上がった時は締めの挨拶で3分程度のスピーチだったのですが、レジメを持たずに丸暗記で挑みました。
結果、話そうと思っていた事を100%喋り切る事が出来ましたし、笑いを取ることも出来ました。
メガネを外したほうが周囲がぼやけて見えるので、誰がどこを見ているか分かりません。
上がり症の人は、特に人からの視線を感じた瞬間に緊張感が高まってしまいますので、それを回避するためにメガネを外す事はかなり有効な手段と言えます。
人からの視線を感じなくなるので緊張感がほぐれます。
これはスピーチで壇上に上がる際にも有効です。
もしも眼鏡使用者でなければ、場内の人と視線を合わせない工夫をしましょう。
眼鏡使用者が周囲の視線を感じなくさせるために敢えて他人のメガネを借りて壇上にあがるという究極の手段もありますが、普段メガネを掛けない人が急にメガネを掛けると気分が悪くなる場合もあるので、あまりオススメ出来ません。
⑪発表の直前は余計な事を考えない
場内にどんどん人が集まってきて開始時刻が近づくにつれて、徐々に緊張が高まっていきます。
イメージトレーニングを入念に行っていれば、この開始直線の雰囲気もイメージしておきたいところです。
しかしながら、いざ本番の直線になって余計なことまで考えてしまうと、これもまた緊張感を増長させてしまうかも知れません。
実際に司会者は、本番の直前までだれかと打ち合わせをしている事のほうが多く、緊張している間もなく会が始まるのが普通と考えます。
しっかり練習とイメージトレーニングを積んでいれば、あとはそれをやるだけです。
余計な事は考えず、会の進行に集中しましょう。
もう一度言いますが、最初の1分間さえ凌げれば8割方は成功したようなもの。
司会者以外の人が壇上に上がれば、会場内の視線はすべてステージに集中するので司会者は楽になります。
その後、要所要所で司会者が喋る場面が出てきますが、最初の1分間ほど視線が集中する事はありませんので、それからはそれほど緊張することもなく司会に集中できるようになると思います。
あとは成り行きに合わせて、レジメ通りに進行するだけです。
⑫話し方
目線
メモを見ながら時折は会場内に顔を上げたいところですが、決して会場内の人と目を合わせないこと。
目があった瞬間に、人から見られているという意識が働いて緊張を増長させます。
会場内を見る時の導線のポイントは、椅子と椅子テーブルとテーブルの間の通路や奥の壁を見ることです。
しかし、この時、絶対に天井は見ないようにしましょう。天井に視線を向けた瞬間、聴衆には緊張がバレる可能性があります。挙動があまりにも極端過ぎるからです。
なので、あくまでも視線は聴衆と同じ目線と同じ高さを辿るように、通路や壁を見た方がいいです。
相手には視線の先に何をみているのかなんて分かりません。
笑いを取る
スピーチの序盤で笑いを取る事も大切です。
「これは悪ふざけをしろ」と言っている訳ではありません。
聴衆の笑いを取ることで、その場を和やかにして会場の空気を自分の味方に付けるという狙いがあります。
目の前の聴衆が怖い顔で自分を見ているより微笑んで見てくれたほうが精神的に楽だと感じませんか?。
笑いのネタはその会にふさわしいネタにします。
会によってはタブーとされる話題もあるので、その会の趣旨に合わせたネタを1つ~2つ3分間のスピーチの中に盛り込むと、終始自分のペースでリラックスしてスピーチをすることが出来ると思います。
もしも、あなたがスピーチを聞いている立場であるとしたら、社長や部長の糞つまらない方針発表や時事ネタを聞かせられるよりも、適度なユーモアのある笑いを盛り込んだ内容のスピーチのほうが聴いていて飽きないし、きっとその演者に魅了されることでしょう。
その場で笑いを取ることが出来れば、次回もあなたのスピーチを聞く立場の群衆は「今日もまた笑わせてくれるかもしれない」と期待感を込めてあなたを見るようになると思います。
それをプレッシャーだと感じず、「自分の力により群衆を魅了させる事が出来た」という自信に繋げて、上手くその期待に応えられるように更に努力を重ねるべきです。
それが出来るようになって気がついた時は、既にあがり症を克服出来ているかも知れませんよ。
再度言います。
笑いのネタについては、その場に合ったネタを慎重に選ぶように!。
会社などの真面目な発表会等の場では避けたほうが良いかも知れません。
でも、忘年会や歓送迎会、新年会などでは大いにアリですよね。
おまけ
⑬潜在意識改革
潜在意識というものがあります。
あなたの過去の経験やトラウマ、物事の考え方によって、この潜在意識は日々書き換えられています。
「上がり症である」という事実も、過去の人前での失敗談や経験を基に潜在意識に埋め込まれ、体も脳もそれを記憶しています。
だとしたら、潜在意識を書き換えてみてはどうでしょうか?。
「自分は人前で話せない」
「スピーチが苦手」
「司会だけはしたくない」
という潜在意識を書き換えます。
嘘でもいいので、潜在意識にこう呼びかけてみましょう。
「自分は人前で話すのが好きだ(目立ちたがり屋だ)
「スピーチなら任せろ!」
「司会は得意で誰にも負けない」
最初は効果が薄いかも知れませんが、嘘でもこれを思い続けていると、次第に潜在意識が書き換えられてあがり症を克服出来る兆しが見えて来るかも知れません。
ある意味、洗脳に近いですが、他人から洗脳されるのではなくて、あくまでも自分自身の自己改革ですんので堂々とやりましょう。
この意識の持ち方次第でその後の行動がきっと変わってくると思います。
上司などに
「来月の方針発表会で司会をやってくれ!」
と指名された場合、過去の自分だったら
「ちょっと苦手なので誰か別の方にお願いして下さい」
と言っていたかも知れませんが、潜在意識の書き換えが終わっていれば
「任せて下さい!司会は得意です!」
となっているかも知れません。
このように普段から意識していれば、選択肢を与えられた時の自分自身のチョイスにも変化が現れる筈です。
考え方や意識が変わって行動が変わること自体が、過去の「あがり症」であった自分との決別を始めた事に他なりません。
意識が変われば考え方や選択の仕方が変わり、やがて行動が変わっていくのです。
⑭あがり症は絶対に克服出来る!
最終的にあがり症は克服できると信じています。
私はとある40名程度の会員を持つ団体に所属していて月に1度の例会に必ず出席するのですが、4ヶ月に1度程度幹事役が回ってきます。
その幹事は4名体勢でそれぞれの役割をこなして月次例会の一切を仕切る訳ですが、役割としては司会、開会の言葉、乾杯、中締めの4つ。
この中でも、私は一番司会業が好きです。
勿論緊張はしますが、数をこなしていけば次第に慣れていくものです。
だから、人からスピーチや司会を頼まれた場合に「自分はあがり症だから」などと言って断り続けていれば、いつまで経ってもあがり症は克服出来ません。
あがり症の人にとってみれば、政治家や会社の社長、役員さんなど特に大勢の人の前でスピーチや講話、演説をしている人たちは緊張しないのか?という疑問に行き着きます。
「よくもまぁ、あんなに流暢に話せるもんだ」
と感心すら覚えます。
しかしながら、彼らも緊張しているのです。
上がっていないだけです。
「緊張」と「上がる」は全くの別物です。
緊張は誰でもするものです。
上がり症の人を含め、人前で話す人の中の8割程度の人は常に緊張するのだそうです。
その症状が軽度か重度かによって、「上がる」「上がらない」に分かれるものだと自分では分析しています。
そう考えれば、この記事を読んで下さっている方の中であがり症のあなたも 「あがり症は絶対に克服出来る!」 ような気がしませんか?。
あがり症は依頼から逃げてばかりでは絶対に克服出来ません。
人前で流暢に話すというのはある意味特技のような気もしますが、話せるようになれば周囲からの評価も上がること間違い無しです。
どうか逃げずに苦労は買ってもして下さい。
あがり症を克服し掛けている私が言っています。
数をこなしていれば、きっといつかは克服出来るようになりますから。
現実(依頼)から逃げないことです。
まとめ
「あがり症」の克服しようとネットを検索すると、いずれは高額の教材をかわせるページに誘導されてあわよくば購入の直前にまで遭遇するという事も少なくありません。
しかも効果が有るのか無いのかも微妙な教材ばかりです(自分の経験から)。
この記事は自分と同じように本気であがり症を克服したいのに、なかなかいい記事と巡り会えない方のために誠心誠意書いています。
しかも、この記事の内容は極度のあがり症だった自分が本気であがり症と向き合い、気がついたらあがり症を改善していたという自分自身の経験から書いています。
きっと、少しは 「誰かの役に立つ」 という信念のもとに書いています。
だから、高額な教材を買わせようなどという事もありませんので......笑。
皆さんのお役に立てられればブロガー冥利に尽きるというものですが、果たしてどうでしょうか!?。
それでは、頑張って克服してみて下さいね。