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クルマ

タイヤのグリップ力と操舵の関係!1/16のアクセルコントロール

投稿日:2017年2月11日 更新日:

はじめに

今回は車のお話です。

その中でもモータースポーツ系のマニアックな話なのですが、一般道を走る上でも非常に需要なことなので一般ドライバーや特に免許取り立ての初心者の方にも、是非読んで欲しい内容です。

タイヤとグリップの関係について掘り下げて説明するのですが、これは教習所では決して教えてくれるようなことではありません。むしろ、教習所で教えるべき項目であると思ってます。

どうしてこんな記事を書くのかというと、クルマが好きだからという最たる理由もあるんですけど、少しでも多くの皆さんに走ることの楽しさ、そして安全にクルマを運転するということを理解して欲しいのです。

頭で理解しているのと理解していないのとでは、明らかにドライビングに差が出ます。
ただ、頭で理解しているだけではドライビングは上達しません。理解したことを何度も練習して実践に移し、体に覚え込ませます。体で覚えたことは一生忘れないと言います。体に覚え込ませるという作業が実は一番難しく時間が掛かる作業だという事は誰しも知っている事でしょう。

車の運転もそうですが、どんなことでも上手いに越した事はないと思います。

この記事が少しでも多くのドライバーさんに届くことを祈りつつ本題に入ります。

 

 

フロントタイヤと操舵の関係

たとえ1本あたり数万円の高性能ハイグリップタイヤであっても、タイヤの性能には限界があります。

そして、どんなシュチュエーションでも万能のタイヤなど存在しません。

タイヤのグリップの限界は、コーナーにオーバースピードで侵入した時や急ブレーキを掛けた時に聞こえる「キィィィィィーーーーーィ!」という音、聞いたことがあるかも知れません。これを専門用語で「スキール音」と言います。スキール音はタイヤが限界に達した時に発せられる音なので、その音を聞けば素人でもタイヤのグリップの限界を知ることができます。

この章での話のポイントは、フロントタイヤと操舵時 つまりコーナーを曲がる時の操舵角とタイヤのグリップについてです。

通常、長い直線道路を一般的なスピードで走行している時はいいのですが、コーナーに侵入したとき、ブレーキをふみながらハンドルを切ることがあると思います。
スピードが高い(速い)ままコーナーに侵入してハンドルを一気に切るとタイヤのグリップは一気に限界に達してしまいます。これにはフロントタイヤに与えられた性能に限界があるのと一緒なのです。人間が一度に色々な事が出来ないように、タイヤだって一度にあれこれ仕事が増えてもその仕事を満足にこなすことは出来ません。

 

仕事1 : 侵入でブレーキを踏む ⇨ ブレーキングにグリップを使っています。

仕事2 : ハンドルを切る    ⇨ コーナーを曲がるためにグリップを使っています。

 

この2つの仕事を同時にしようとしたときですが、それぞれの仕事量を 50(%) と仮定しましょう。双方合わせて 100(%) の仕事となります。これがタイヤの限界です。一般道では緊急回避時以外でタイヤのグリップを100%使うシチュエーションなんてそうそうあり得ませんよね。首都高での最高速や碓氷・箱根でも攻めない限り........。

この双方の因果関係を知らない人はコーナーで路肩に突っ込んでしまいます。つまり、自分のクルマとタイヤの限界を知らない、そしてこの先の道を知らないのに自分の能力以上のスピードを出して無謀にもコーナーを曲がるなんて、常識のある人はしません。
コーナーで事故る人の多くは、このブレーキングに使うグリップとブレーキングに使うグリップのコントロールが出来なくて、タイヤのグリップが限界を超えたためにグリップを失いクルマが思いもよらぬ方向に吹っ飛んでしまってガードレールとお友達になるのです。

 

上記の図はその一例なのですが、これはあくまでもステアリングの舵角を一定の状態でコーナリングした場合です。コーナー進入時の舵角の切れ角が足りなくてコーナリング中に舵角を切り足せば、そのぶんタイヤのグリップは舵角側に使われてしまうのです。

コーナリング中は、舵角側の余計なグリップを使わないようにした方が安全に曲がる事が出来るという訳です。

そして、肝心のブレーキング。上手なドライバーは、ブレーキングを早めに終わらせて、コーナーを曲がるためのグリップを最大限使ってコーナーを抜けます。
ヘタクソなドライバーは、中途半端なブレーキングをしたままらコーナーに突っ込み、オーバースピードだったことに気づき慌ててフルブレーキング + ステアリングを切ってヒヤッとしてしまいます。ヒヤッとしただけで何事も無ければいいんですけどね。

つまり、教習所の先生から「カーブの手前でしっかり減速しなさい」と教えられたのはこの為です。

タイヤにあれもこれも負担を掛けて走るドライバーはクルマの事を何も知らない、ただの無謀なドライバーです。

タイヤとクルマの関係を知り尽くしていて、タイヤに負担をかけないで安全に走れるドライバーこそがプロのドライバーだと思います。

 

 

スリップサイン チェックしてますか?

スリップサインって知ってますか?

これ、フォト蔵でお知り合いになった kontentenさん からお借りした(使用を許可して頂いた)画像なのですが、なんと、スリップサインが出ているものと新品に交換した後の Before After が並んでいるという今回の記事にピッタリの画像でした。(kontentenさん、改めましてありがとうございます)。

 

 

上の写真の赤丸の部分、タイヤの表面の部分に溝に刻まれたポチマークがタイヤの接地面と同じ位置に水平になっているのが分かります。

これがいわゆる スリップサイン です。

タイヤはこのスリップサインが出てしまうと溝が減ってきているという事になりますので、タイヤ本来の性能は殆ど無くなっています。例えば、雨の仲を走る時にはタイヤの表面の排水性が悪くなってしまうので ハイドロプレーニング現象 に陥りやすくなります。 ハイドロプレーニングは、排水性の悪いタイヤの表面と路面の間に水の膜が出来てしまうことで、この状態に陥るとタイヤはグリップを失ってしまいます。つまり、ハンドルを切っても曲がらない、ブレーキを掛けても減速も一切出来ないという最悪の状況となるわけです。

私も若い頃、S13シルビアでドリフトしていた時、リアタイヤとしてで使い切ったツルツルのタイヤをフロントに移し替えるというバカな事をやっていて、ある日、実家まで帰省する260kmもの道のりを大雨のなか走っていた時、何度も死ぬ思いをしました.....笑。しかも一度きりではないのです。ただのバカですよね。若気の至りです......。でもそんな思いをしたものだから、フロントタイヤの重要性を改めて認識した事で、それからというもの、どんなにお金が無くてもフロントタイヤだけは新品を入れるようにしました。
フロントタイヤはクルマの進むべき方向にクルマの向きを変える重要な役割をしている訳ですから、決して軽視してはいけないのです。

前章の フロントタイヤと操舵の関係 でも言いましたが、フロントタイヤがグリップを失ってしまうとクルマはあらゆるコントロールを失ってしまいますので、もはや人間は為す術が無くなってしまいます。
想像してみて下さい。ブレーキを掛けても減速しない、ハンドルを切っても曲がらない。あとはぶつかって止まるのをひたすら待たなければならない......ってゾッとしませんか?。対向車も何もない直線道路だったらまだしも......ですが、これが峠道やカーブや対向車の多い道だったら間違いなく大惨事になってしまいます。

上のスリップサインの出ている写真のようなタイヤの場合、雨量にもよりますが、そこそこ水量のある水たまりになんぞ突っ込んでしまったら、時速40km/h程度でもハイドロの危険性を伴う場合もあります。路面自体には雨が溜まっていなくても路面の凹凸に大きな水たまりなどがあった場合、そこに突っ込んだ瞬間にハイドロが起こるかも知れません。

万が一、ハイドロに陥った時は慌てずにエンジンブレーキで速度を落とします。速度が落ちてタイヤ面の排水が収まると、やがてグリップが回復しますので緊急回避行動に移ります。但し、ここで急ハンドルや急ブレーキをしてしまうとフロントタイヤが直ぐに限界に達しグリップを失ってしまうかも知れませんので落ち着いて操作をする必要があります。とは言え、目の前に壁が迫っていたら誰だって落ち着いて....なんて居られないですけどね。前にも言ったとおり、フロントタイヤがロックしたままではクルマはステアリングで方向を変えることが出来ません。

因みに、スリップサインが出ているクルマの場合、車検は通りません。警察に止められてタイヤを見られてしまった場合、整備不良で切符を切られてしまいますのでご注意ください。

スリップサインをこまめにチエックして、ハイドロを防ぎましょう。

でも、いちばん安全なのは、溝のあるタイヤを履いて、荒天時はスピードを出さないことですね。

 

 

 

旋回中の車とタイヤの状態を理解する

アクセルは 基本的には加速と速度の維持 に使用します。

実は、もっともっと重要な役割も担っているのですが、ここでは基本的なことだけに触れます。

加速は誰しも分かると思いますが、速度を維持する つまりは一定の速度で加速も減速もしない状態の事を パーシャル と言います。
加速・減速(アクセルから足を離す)・パーシャル の3つ、これで3種類のアクセルの使い方があることが分かります。でも、加速する、減速するだけでアクセルを使い分けているというのはちょっと頂けません。

プロドライバーは、1/16 とか 1/32 の割合でアクセルを踏み分ける事が出来ると言われています。

ここでの話は一般道を走るレベルでの話ですのでそこまでではないのですが、最低でも1/8程度のアクセルの踏み分けぐらいはして欲しいものです。

では、どんなシチュエーションでアクセルを踏み分けるかと言うと、コーナーの途中や出口で加速する瞬間です。あまり運転んがお上手ではないドライバーだと、アクセルON! と OFF! しか使えないのですが、これではクルマは安定しません。
コーナリング中のクルマというのはアクセルから足を離していて加速を止めている状態ですので直進しようとする挙動は不安定になります。

走っているクルマには重力を含めて色々な力がかかっています。

 

 

コーナリング中は、基本的にブレーキを踏んでいてアクセルを離しているのが殆どだと思います。もしくはアクセルもブレーキも踏んでいないか。上の図のようにコーナリング中の車にはコーナの外周側から遠心力が掛かり、クルマは外側に引っ張られます。外側にだけ引っ張られている状態なのでクルマは基本的に不安定な状態となります。

ここで、アクセルに足を乗せパーシャル状態を維持する事で、上の図の通り加速する力が加わり遠心力と前方向への2つの力でクルマの挙動は安定します。コーナリング中に加速?するの?という疑問を生じた方も居るでしょう。アクセルの使い方には、

  1. オフ(踏んでいない)
  2. 加速(踏んでいる)
  3. パーシャル(加速も減速もしない)

という3つの使い方があります。このパーシャルの状態は、例えば直線の道路で50km/hの一定の速度で走っている場合のことを指します。つまり加速も減速もしない一定に踏んでいる状態のことです。

コーナリング手前でブレーキを踏んで減速してブレーキを少し残したままコーナーに進入します。これをブレーキを残すと言います。これはコーナーに入ってクルマの荷重移動を起こさせてコーナリング中のクルマの安定した姿勢を作るために行います。コーナーの中間に達してブレーキを離してからアクセルにちょっとだけ足を乗せる、つまりアクセルをパーシャルにすることでクルマの進行方向と遠心力の中間に加速のGが加わる事でクルマは安定します。

これだけ コーナーをクルマが曲がる という作業は、実はタイヤにもクルマにもとても負担が掛かっているという事がわかります。一つ一つの事を一気に体に覚えさせるのは本当に大変な事ですし、何度も練習しながら習得しなければなりません。

頭で覚えたことを実践し体で覚えてしまえば、それがあなたのドライビングテクニックになります。

 

1/16のアクセルコントロール

コーナリング中のクルマの挙動はとてもシビアだということがお分かり頂けたと思います。
もしくは、私の説明下手で理解できないとしたらゴメンナサイです。

アクセルには3つの使い方があると言いましたが、実はこれだけではないのです。

加速するとき、特にコーナリング中のクルマの挙動を安定させるには、アクセルを16段階で踏めるようになるとベストです。アクセルをオン、オフだけでしか使えないようでは、クルマをいかなる状況でも安定して走らせる事など不可能です。

パーシャルの状態からベタ踏みまでのアクセルのストロークを16分割するのです。
これは特に、コーナーの中間から出口に向かい加速をするところで上手に使います。

 

またまた登場のこの図ですが、横軸の(制動)を加速に置き換えて考えて見てください。そして、これは何もコーナー進入時だけの話ではないのです。
コーナの入り口ではブレーキングのためにグリップを使っていましたが、コーナーの出口では加速するための縦方向のグリップを必要とします。この時の理屈も一緒で、操舵と加速の双方で100(%)あるグリップをそれぞれに上手に使い分けをします。

コーナーの出口ではタイヤのグリップを主に加速のために使いますが、まだ旋回が完全に終わった訳ではありません。旋回途中でタイヤのグリップにまだ余裕がない時、一気にアクセルを開けてしまうとタイヤのグリップはすぐに限界に達しコントロールを失いかねません。コーナーから立ち上がる時には、じわじわとアクセルを踏んで加速状態に持っていくのです。その時にこのアクセルの細かい制御が必要になります。この時にアクセルの開度を16段階で細かい調整ができれば、加速時のに使うタイヤの縦方向のグリップと旋回するための横方向のグリップを上手に使う事ができます。

プロはこの作業を「タイヤと相談しながら走る」という表現を使います。

タイヤと相談するのは、クルマと自分の体が交わる部分を接点として、その全てをセンサーとして使います。つまり、シートに触れているお尻と背中、そしてステアリングを握っている手でタイヤの情報を聞き取るのです。
これには経験も必要ですが、何も考えないで走るよりは意識して走った方が習得は早いです。

 

安全にコーナーを曲がって立ち上がるためには アクセルコントロール という技術も必要なテクニックなるのですが、これは何もコーナーの立ち上がり時だけではありません。滑りやすい雪道での発進時やコーナーの出口など、路面がデリケートな場合にもタイヤを空転させる事なくしっかり回してトラクションを路面に伝える時にも有効です。

上手なドライバーというのは、後ろから見ていれば分かるものです。ラインどりやステアリングの舵角、アクセルコントロール、荷重移動などなど、とてもズムーズな運転をしている人は、これまでに書いたノウハウを全て分かった上で走っているのでしょう。

アクセルをオンとオフでしか使った事がないのであれば、是非練習して見てください。

 

 

まとめ

今回は、「タイヤのグリップ力と操舵の関係!1/16のアクセルコントロール」というお題で、主にコーナリング中の車とタイヤのグリップ、そしてアクセルコントロールについて記事にして見ました。

コーナリングが上手になりたい、自然なコーナリングを求めるのなら、駆動方式は FR がベストです。
FRについては、こちらの記事を参照してください。

 

ドラテク上達! FFよりFRをお勧めする5つの理由【初心者用】

史上最強のFRとその価値についてを語る

クルマと相談しながら走るという点では FR はとてもベストな選択です。操舵をするフロントタイヤと駆動をするリアタイヤがそれぞれ別の動きをしてくれるのでとても自然なフィールでドライブできます。

タイヤは1トン以上もあるクルマの荷重を受けながら、常に安全に 走る、曲がる、止まる という過酷な仕事をしてくれています。その原理をしっかりと理解し、上手なタイヤマネージメントが出来ると、カーライフはもっともっと充実したものとなるでしょう。



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