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哲学

アフターコロナ時代の業界再編成 今後変わりゆく未来を予測する

2020年5月10日

目次

アフターコロナの世界

新型コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックがまだ冷めやらぬなか、アフターコロナという言葉が世にはばかりつつあります。

 

アフターコロナとは、「コロナのあと」 つまりは「新型コロナウィルス感染症終息後の世の中」という意味合いなんだそうですが、実際にはどのような世界なのでしょうか!?。

いまやネット上では、経済学者やジャーナリストらがそれぞれの所感を以ってコロナ終息後の世界観を示しておられるようです。

もちろん私管理人も経営者であるが故に、今後の先行き見通しというのは本当に死活問題として、日本さらには世界経済の行く末を注視しているところです。

かく言う私は、経済学者でも評論家でもありませんが、自粛ムードが当たり前となりつつある2020年4月において、コロナ終息後の世界観を一人想像しています。

 

追伸、私の略歴は、学生時代の個人飲食店のアルバイトののち、フリーター歴6年のあと、大手外食産業チェーンに就職し中間管理職キャリアを15年ほど経験、40歳で独立し現在は個人事業主として実店舗経営をしています。

業種は飲食業を含む観光関連事業であり、これから訪れる厳しいアフターコロナ時代を迎えるにあたり、最も厳しい業種であると自覚してるところです。

ただ、厳しいと言われるのは、なにも観光関連の業種だけではなく、世の中のありとあらゆる業種において厳しい時代がやってくることに間違いはありません。

 

 

その徴候....実ははコロナの全盛期から始まっていた

そもそもこれはアフターコロナの話ではなくて、コロナウィルス感染症が世界中に認知された直後から兆候が出始めていました。

WHOが非常事態宣言を出すタイミングの遅さを指摘し非難する声も各国から上がっているところではありましたが、感染が早かった我が日本国内では2月当初、ダイヤモンド・プリンセス号での感染状況に世界が注目したものでした。

当初は日本の客船の対応について、特に米国からは非難の声が多く集められましたが、今となっては日本の初期対応の良さとコロナによる死亡率が世界でも最も少ない確率であることに称賛すら頂いている始末。

日本国内にそれほど大きく広まらなかったのは、初期の段階において自衛隊による介入があり、その自衛隊の対応が良かったため初期段階での医療崩壊を防ぐことが出来たとされてます。

しかしながら、3月、4月と月を追うごとに増える感染者数。

結果、政府は4月半ばに非常事態宣言を出すに至りました。

これにより、観光関連事業、特に航空会社、観光バス、タクシー、ホテル旅館などの宿泊業、飲食業、一部の小売業の客数が軒並み減少、のちにテレワークが推奨されることにより公共交通機関も打撃を受けます。

さらに、これらに付随する関連会社の売上も低迷、例えば航空会社であればその下請けの会社、食品卸業者、加工会社、バス・タクシーに至っては早い段階から人員整理が始まったとされています。

ホテル旅館業が動かなくなれば、地元の精肉店、食品加工会社、魚菜市場、スーパーも連鎖的に打撃を受けます。

これが経済に与える負のスパイラルとでも言うのでしょうか?。

企業の消費が落ち込むと、当然ながら連鎖的に個人消費までも落ち込んでしまいます。

 

 

アフターコロナ後の日本経済

非常時代宣言の影響で2020年のゴールデンウィークをはじめとして、長期休暇をほぼ棒に振るった日本。

しかしながら、ゴールデンウィークの外出をしなかったお陰でサラリーマン家計ではそれに見合った支出もカットされた訳ですが、では各家庭の財政はそのぶん経済的な余力が残っているのか!?と聞かれればどうでしょうか?。

確かに通販大手の会社は増収となったとの報道があります。

が、それはGWに旅行やレジャーなどで消費する予定の予算が全額注ぎ込まれたのか?と聞かれればそうではない筈です。

今現在、いたずらに家計での無駄な消費を増やすべきではないとの見方もあります。

政府が特別定額給付金として一人あたり10万円の現金を支給するとの政策を決定しましたが、この10万円が各家庭に行き渡ったところでどれだけ経済に対しての影響を与えるかは未知数です。

 

今後2年間で失業者が200万人に及ぶとのデータも出ているとか。

お隣韓国では、既に2020年1月から4月までの間にコロナ関連による失業者を含めた延べ人数が200万人を超えたのだそうです。

しかし、これは対岸の火事ではありません。

アフターコロナでまず先に見えるのは、失業率は増加し、逆に新規採用が減るという現象です。

つまり、採算の取れなくなった企業がまず始めに行うのは新規採用を見合わせると同時に既存社員のリストラ、つまりは人経費のカットです。

一般的な企業の損益勘定で大部分を占めるのは固定費です。

損益計算書上では一般的に人件費は3割を占めます。

製造業に至っては材料原価+人件費で既に経費の6割を占めます。これは現状の飲食業もほぼ一緒です。

これらの業種は材料原価は削られません。水光熱費を抑えるにも限界があります。

採算が取れなくなりまず最初に着手するのは人件費の削減であることは簡単に想像がつきます。

 

これは過去に日本の企業が外資系企業のM&Aや経営陣の退陣などで外人経営者に入れ替わったときなどにも真っ先に行われています。

記憶に新しいのが日産自動車がカルロス・ゴーン(被告)を迎え入れた際の手法。彼がまずテコ入れしたのが不採算事業の撤廃と人件費の削減でした。

コストカットマンとして知られるゴーン被告でさえも、やはり人件費削減から入るわけです。

過去には経営危機に陥った日本航空もそうでした。

京セラ会長の稲盛和夫氏を経営陣に迎え入れた際、真っ先に行われたのがやはり人員の削減です。

固定費は家賃や水光熱費、そして人経費を含みますが、家賃や水光熱費は事業存続のためには支払いを滞らせる訳にはいきません。

しかしながら、どうにもすぐに改善できる損益勘定ではではありません

コロナショックで人件費の削減が続けば、やがて失業率が上がり就職難の世界が訪れます。

コロナショックは、過去に世界や日本が経験したバブル崩壊やリーマンショックなどとは比べ物にならないほど深刻な爪痕を残すと言われているのです。

明日の自分がいまの会社に100%在籍している保証など、アフターコロナではどこにも存在しません。

 

経済を回すには国による大規模な金融政策や企業支援が必須となりますが、今回は規模が大きいだけに国がどこまで個々の企業の面倒を見られるのかは微妙です。

すべての企業を救済していては日本経済自体が破綻する恐れがあります。

ここでは観光関連事業、飲食業、製造業に焦点を絞り、今後の動向について考えてみたいと思います。

 

 

観光関連事業

コロナ終息直後であっても観光関連事業は復活の目処も立てられないほど状況はかなり深刻です。

 

コロナショックの影響でゴールデンウィークに外出出来なかった日本国民は、まず大手を振って家族を連れて旅行に出かける事が予想されます。

ただそれは一時的なものと考えています。

国内旅行はもとより世界的に見ても移動中における密接した空間でのウィルスの感染に敏感になった人間が、公共交通機関での移動を良しとするのでしょうか?疑問がのこります。

 

クルーズ船を例に取りましょう。

今回のコロナウィルス感染症において、日本のメディアの報道でまず最初に報道されて日本中が注目したのが、横浜港に停泊中の客船 ダイヤモンド・プリンセスでした。

ダイヤモンド・プリンセスでの感染例を発端に、海外からの渡航を宣言しなかったためにウィルスは国内にも一気に広がりました。ダイヤモンド・プリンセスでの感染例を見ると、逃げ場もなく自分の意思で下船も出来ない環境などお金持ちの方々がこれからも好んで旅行の手段にするとは思えないのです。

クルーズ船での船旅は、今後はリスクとしてしか見られないでしょう。

ウィルスが蔓延した船内に数週間取り残されるなど、ただの生き地獄です。

よって、クルーズ船でのツアーについては今後は終息に向かいうものと個人的には見ていて、事業として採算が取れなくなることは明確です。

 

一方で国内旅行や海外旅行はどうでしょうか?。

明日明後日にコロナが収束するとは少々考えづらいわけですが収束するには、特効薬やワクチンの開発には1年以上掛かると言われていることから、少なくとも2020年中にコロナが収束するとは考えづらいです。

となると、国内旅行は年内中にコロナ以前の水準に戻るのはもはや絶望的と言っても良いのではないでしょうか?。

コロナを警戒するあまり出歩けない日々はまだまだ続くのです。

観光スポットの大手リゾートホテル、温泉旅館がもち堪えられるでしょうか?。すくなくとも従業員を一定数確保することもままならないでしょう。

人が動かなければ、鉄道からバス会社、タクシー会社に至るまで、それに関連する事業所も厳しい状況になると言わざるを得ません。

観光業とはつまり、人を動かす商売。

人々が動いてくれない限り、事業の存続は期待出来ません。

 

飲食業

観光業に続いてもっとも厳しい時代を迎えるであろうと予測する飲食業。

お客様のご来店により初めて売上が立つ飲食業。これはなにも飲食業に限ったことではありませんが、飲食業は誰でも簡単に始められる(と勘違いされている)典型的な商売と思われている部分も大いにありますが、これは間違いです。

飲食業30年の経験を持つ管理人が断言します。

2010年頃から飲食業を起業すること自体がリスクであると、管理人は感じておりました。

大手外食チェーンに勤めていながらにして、退職していった社員や部下も大勢いましたが、彼らのなかで飲食業として独立していったものを私は知りません。

それは、飲食業の厳しさを目の当たりにしてきたからに他なりません。

まず従業員が確保出来ません。原材料費は年々高騰の一途を辿るばかり。

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兎にも角にも飲食業は経済の影響を真っ先に受ける事で有名な業種であるのです。

飲食業は一般家計の勘定科目で言うところの「外食費」や「娯楽費」などに大別されますが、例えば何らかの経済的理由により世帯収入が激減したとします。こうなると、まず最初に贅沢費と言われる「外食費」や「娯楽費」を削減します。

衣食住に係る経費を削減すると生活そのものに影響が出てしまうため、まずは贅沢費から削られますが、その影響をもろに受けるのが「外食産業界」、いわゆる飲食業界です。

バブル、リーマンショックを始めとして東日本大震災後に計画停電の影響を受け、当時は満足な営業が出来なかった飲食店も多かったのですが、これらの経済的な影響を真っ先に受けるのが飲食業。

外食でしかご飯が食べられないわけではなく、外食とはつまり「娯楽費=贅沢費」であるのです。

 

2020年4月、非常事態宣言を受けて既に休業に追いやられています。

飲食業に限った事ではありませんが、国からの要請で休業したものの休業補償もないまま店を閉めるというのは、まさに生き地獄です。

従業員の給与も払えず家賃も払えず、店を開けない限り現金も入って来ません。

先月の酒の仕入れ分の請求書が届いても現金が一切入ってこなければ支払いをすることも出来ません。

向こう半年間の運転資金が手元にある店舗というのは限られた店舗のみと思います。

立地的に地代が高い地域での営業であればなおさらです。

 

コロナショックに絶えられない飲食業経営者は、一旦店を閉める事を考えるでしょう。

しかしながら、現状、コロナ終息直後に既存顧客が100%戻ってくるか?と言えば、その保証もありません。

 

これからコロナ後の世界で飲食業として生き残っていくには、テイクアウトシステムを持つ業種であると考えいます。

現在、テイクアウトに力を入れている業態も多いわけですが、通常は飲食店営業許可が地域管轄の保健所から出ていれば問題ないのですが、一部食材については別途保健所の許可が必要になる場合も。

知らず存ぜぬで迂闊にテイクアウト事業に手を出す前に、一度保健所に確認することは必要と思います。

食中毒が起きてから、実際には無許可営業に近いことをしていた...となると、ちょっと厄介です。

食費衛生法をなめてはいけません。

 

 

製造業

製造に係る材料や部品の調達を中国や台湾などから仕入れている国内事業者も少なくない製造業。

中国の経済も今後どうなるか分かりませんが、一部の経済学者に言わせると、アフターコロナ後の世界経済は中国の一人勝ちと言っている学者さんも居れば、中国経済はもう復活できないレベルにまで来ていると言っているジャーナリストも居ます。

中国からの原材料の調達は製造業に限らず、食品加工関連の輸入業者でもそうですが、中国からの供給が途絶えてしまうと、代替えの仕入先を探さなければなりませんが、コスト的にコロナ以前のルートと知れ先を確保出来るかが、国内の製造業の生き残りの鍵となりそうです。

しかしながら、既に工場の稼働が止まっている場合、既存の従業員を100%元の職場に戻せない企業も多いかも知れません。

経済が減速傾向であれば、製造したからとて100%製品を納品出来るか、需要があるかどうか分かりません。

ただ、マスク、手指消毒剤、石鹸などを製造する衛生関連の企業と販売業は、今後の伸びしろはしばらくの間は続くことでしょう。

これを期に、衛生関連グッズの製造販売に着手する製造業に切り変える企業が増えるだろう....と予測されます。

現に2020年5月現在、相変わらずマスクは品薄状態、食品衛生関連の事業所でよく使用されるサラヤの趣旨洗浄剤”シャボネット石鹸液”は数ヶ月前からメーカー欠品状態である。

当方も飲食関連の事業を営んでいる現況、シャボネットが手に入らないのです。

衛生関連のメーカーさんはアフターコロナ後にも当面の間は需要増が見込まれることから、株価も安定傾向になることは明白です。

何しろ家電メーカーがとうとうマスクを製造するという変な時代と変わりつつあります。

ただ、これはまだアフターコロナの序章にしか過ぎないのでしょう。

 

 

失業者が200万人

先述しましたが、経済学者によると2021年には国内の失業者が200万人を超えるとの推測もあるようですが、経済が安定傾向に推移しない限り当面の間、失業者は減らない一方でしょう。

景気が悪くなり企業の業績予測が下方修正されれば、まず最初に減らされるのが人件費です。

企業のなかでも採算が取れていない部署、ならびに人員が過剰に配置されている部署、給与の高い40代以上の社員が真っ先にターゲットにされます。

失業者が溢れたとしても求人を出している企業も減少傾向になることを考えれば、すぐに希望の職種に就職出来ない可能性が出てきます。

職業についてあれこれ選んでいられない時代が来ます。

一方でリストラを免れた既存社員であったとしても、給与の減額は否めません。

ボーナスも出なくて当たり前の時代が来ます。

年収が減少することで、今後は住宅の新規購入も、マンションも、クルマの新車買い換えも期待出来なくなります。

不動産価格は下落、ハウスメーカーは家が売れず、同じく不動産業界はマンションが売れずに空室を持て余す時代へと突入します。

人間が生きていく上で必要な三要素、衣食住のうちのに係る部分です。

持ち家が全てでは決して有りませんが、将来的にマイホームの購入を検討している世帯であれば、このようなご時世になれば購入を一時的にためらうのは目に見えています。

マイホーム、クルマの購入には、ボーナス払いを併用するローン組が一般的です。

むしろ、現代社会では高額商品になればなるほどボーナスを併用しないとまともにローンが組めません。

厳しい時代が予想されます。

 

 

まとめ

アフターコロナの日本について書いてみました。

当方は観光飲食関連の事業を経営しているに過ぎない立場にありますが、これらの業界でこれまでにバブル崩壊、リーマンショック、東日本大震災などを経験してきたからこそ言える業界の将来性というもが見えて来るのです。

少しでも早くコロナが収束し、経済が動き出すことを期待したいところですが、経済が回りだしたところですぐコロナ以前の水準には戻れないと言われています。

コロナ不況により失業者が溢れている状況で経済が元通りに回るようにはならないという事実は、小学生でも分かりそうなものです。

中国とアメリカの経済状況にも左右されるであろう世界経済、日本だけいい思いを出来るかといえば、中国とアメリカとの輸出入に依存している日本経済ですからそれも期待出来なくなります。

政府の経済支援、中小企業への支援、失業者の救済など問題も山積みですが、政府にばかり依存していてもそれなりの政策が期待されなければ経済復興も期待出来ません。

自分の身と自分の家族、そして自分の今ある財産を守り抜くため、まずは仕事により収入を維持することを大前提とし、経済の復活をじっと待つしか手立てはありません。

 

そのためには、家庭では無駄な支出を出来るだけ減らし新たな負債や生活の重荷になるであろうローン組みは当面の間控えるべきです。

経済を回すことを考えればこの考え方は否定するべきかも知れません。

しかし、給料が減るかもしれない時期に大きな買い物をしても損をするだけです。

殆ど博打です。

 

職業を維持しながら負債を今以上に増やさず、出来るだけ支出を減らす。

そして経済の復活を待つ。

今出来ることはこのくらいしかありません。

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