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コラム 哲学

人手不足が起こる原因と結果 なぜ人手不足は深刻化したのか!?

2020年4月9日

目次

慢性的な人手不足が深刻化している

人材採用は数年前から売り手市場となっています。

求職活動をする学生や転職を希望する社会人からすれば、売り手市場というのは大きなリスクを抱える事無く就職活動が出来るという点においてはプラス材料となるでしょう。

バブル崩壊後、一時は就職氷河期が訪れた日本です。バブル崩壊も振り返れば最近のこと。管理人もかつて、このバブル崩壊によって一時的に就職氷河期に晒された難民の一人でもあります。

そんな時代を生き抜いてきて、2019年初就職市場は売り手(求職者)にとって有利であるのは何にも代えがたい好材料ですが、両手を上げて喜んでもいられません。

売り手市場は決して良いことばかりではないからです。

 

売り手市場が経済に及ぼす影響は決して小さいものではありません。これは慢性的に労働者不足になっているという事実に他なりません。

では、2000年台に起きたバブル崩壊後から今日に至るまで、何故深刻な人手不足に陥ったのか?、その原因にフォーカスしてみたいと思います。

 

 

産業構造について振り返る

第一次産業の発端は1700年台にイギリスで発祥しました。

日本の歴史を振り返り、昭和期にさかのぼって産業構造についておさらいしてみたいと思います。

 

第一次産業  農林水産業(1700年代後半~)

農業、林業、漁業がこれに該当します。

因みに、日本ではまだ江戸時代です。

水産加工品など天然資源を加工して販売する業種は製造業に分類されるので、これらは含まれません。

まさに自給自足の生活を送っていた時代であり、江戸時代であった日本は”士農工商”のまさに”農””工”が優遇されていた時代背景にも納得がいきます。

大飢饉や百姓一揆も全国各地で盛んに発生していた時代、先人たちが如何に食料難に対する危機感を抱きながら生き抜いてきたのか?という歴史が全てを物語っています。

 

第二次産業  鉱工業・製造業・建設業(1800年代後半)

日本ではアメリカのペリーが来航(1853年)し、開国が行われた時代。

世界では鉱工業から製造業、人の手で行っていた作業を機械を用いて作業する産業へと進化していきます。

一方の日本はまだ江戸時代。1870年には東京~横浜間に電車が開通。1887年東京に電灯がつきます。

時代は江戸時代から明治時代へと変わっていきます。

 

第三次産業  サービス・情報・金融・保険(1900年)

いよいよ1900年代、コンピューターの登場で産業は一気に加速します。

日本はちょうど高度経済成長期を迎えていて、産業と技術革新も一気に加速します。

大企業が登場するようになったのもこの頃で、急激な業務の拡大、大規模自社工場の登場などで多くの人財が求められるようになりました。

そして時代は情報化社会へと変貌していきます。

 

第四次産業  情報通信、医療、教育サービス

第四次産業革命=日本語ではインダストリー4.0というものです。

産業の中心に常にコンピューターがあり、「IT」「loT」「ビッグデータ」が産業のカギを握る時代となります。

もうコンピューター無しではインフラも事業も成り立たないという、新たな産業革命の時代を迎えています。

 

第五次産業

第四次産業で革命の起きたビッグデータや人工知能を応用した産業が中心となる産業です。

医療、工業、農業に至るまで、これらの技術が応用されていきます。

 

第六次産業

農業や水産業などの第一次産業が食品加工、流通販売にも業務展開している経営形態を表しています。

一般的には経営の多角化を図ることによる造語となっています。

昨日のテレビで評論家の方がたまたま話してましたが、例えば農業を例に捉えます。

第一次産業で活発だった農業ですが、これまでの農業従事者は独自の流通ルートを持たずJAなどに全てを委託して販売をして貰っていました。第六次産業では、これらの流通ルーツを介さず、農業従事者自らが取引先を発掘して自分が作ったものを自らが発掘してルートで販売して利益を得るというのも第六次産業であると言っています。

時代は「作る・造るだけ」の時代から、「造って売る」時代へと変貌していきます。

つまり、「作り手」と「売り手」の中間に存在していたJAなどに代表される「問屋」と言われる業種は今後は衰退していくものと管理人は見ています。

 

 

 

人手不足が慢性化した原因

では本題に入ります。

何故、人手不足が慢性化してしまったのか?という原因に迫っていきたいと思いまます。

 

労働人口の低下

1つ目に上げられるのは労働人口の低下です。

少子高齢化に伴い新卒で採用される学生の絶対数が激減していること。そして団塊の世代を中心に昭和から平成の日本の産業を支えてきた年代の労働者は引退の時期を迎えています。

現役を引退する人口 > 新卒の人口 が慢性化すれば、必然的に労働人口は減少してしまいます。

 

 

新たな産業の登場による労働人口の奪い合い

今現在、人手不足と言われている産業の多くは第一次産業から第三次産業で繁栄してきた業種が殆どを占めています。

建設業、製造業、小売業、サービス業、医療、特に建設業とサービス業の従事者は激減していると言われています。

何故このような自体に陥ったか?。第四次産業から第五次産業に代表されるIT/Web関連事業など、これまでにないあらたな業種に対して20代~30代の働き盛りの世代の就職希望が集中して起こっているからという事態になっています。

数十年前の多くは、高校~大学卒業後には製造、サービス、建設に進んでいた新卒人口の殆どは手を汚す仕事を敬遠し、いわゆる”ホワイトカラー”の仕事に憧れを抱きます。就職先は首都圏で、スーツを来て満員電車に乗って通勤するのが当たり前という認識を否定しなくなります。

 

 

発展する産業と衰退する産業

第六次産業で例に取るように、現代の産業ではライバル他社との差別化を図る手段の一つとして価格での差別化に取り組むことが最重要課題でもあると言えます。

小売や製造業の場合で販売価格を抑えるためには仕入れ価格を抑えなければなりませんが、仕入れ価格を抑えるためには仕入れに関わるマージンの低減に取り組まなければなりません。そこで注目すべき中間に存在する業種として「問屋」があります。問屋を介して仕入れをしてしまうと、手間暇が掛からない分手数料を上乗せされて納品されるので仕入れ価格は上がってしまいます。しかし、問屋を介さずに商品を独自のルートで仕入れ出来るようになれば、作り手と売り手の中間に存在していて手数料で利益を得ている「問屋」と言われる存在の業種は将来的には衰退していく職業ではないかと思います。

 

次に現在の産業で最も後発であり現代の日本の経済をも支えていると言っても過言ではないIT系業種について。

IT系企業その業種や職種は様々です。後発のIT系企業は業績の悪化から衰退も早いとされていますが、このようなIT系企業の場合、デジタル系に精通している社員もしくはそれに準じた人材育成を施している企業が殆どであるので、採算が取れなければ同じITの分野で業態転換をすることが容易です。一方で第一次産業である製造業などはそのような訳にはいきません。

生き残れる企業や業種というのは、採算が取れなくなった時に業態の転換がし易い業種でもあると言えます。

 

 

まとめ

人手不足が起こる原因について書いてみました。

現役を引退する数が新卒採用者の数を下回らない限り、この問題は解決しません。

唯一の解決策は、既に取り組みが行われていますが、外国人労働者の数を増やす、もしくはIT技術やロボットが人間の仕事を取って変わるという事で補っていくしかありませんが、これに対する問題も山積みなのも現状です。

新たな産業と衰退していく産業。

特にサービス業界に長く携わった管理人としては、日本のお家芸の一つでもあるサービス業界の労働人口衰退による業界の縮小化の加速感がこれから問題になっていくと考えています。

サービス業に関しては、いずれ記事に取り上げていきたいと思います。

それでは。

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