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哲学

日本の携帯電話メーカーはなぜ時代に取り残されたのか

2017年1月25日

目次

はじめに

スマホの普及率には目を見張るものがありますね。

ガラケーと合わせたスマホの普及率は2016年で50%ちょっと....なんだそうです。もう少し行ってると思った。残り50%の人がガラケーを使っているんですね。しかし、その人の殆どは、仕事で電話を使用する方のようなビジネスマンの方、または、携帯デビュー当時からガラケーを使用したいた年配の方々では無いかと察します。今のガラケーとスマホを単純に比較した場合、逆にスマホの方が初心者には扱いやすいと感じるのは私だけではないはず。
一方のビジネスマンは、いつ大事な電話が入るのかも分かりません。移動も多いです。電池が夕方には切れるようなスマホでは仕事にならない訳です。また、通信量やコストの問題で会社から支給される携帯電話はガラケーの方が圧倒的に多いのも現状です。でも、個人でスマホを持っていて会社から支給されたガラケーを持っているなんて、最強の通信手段の環境であると思いますよね。

 

 

ガラケーからスマホに至るまでの歴史

目覚ましいほどの普及率を築き上げたスマホ市場。iPhoneが日本に登場したのは2008年6月ですから早いもので9年が経過します。そのiPhoneの登場で日本のスマホ市場にも火がつきますが、時すでに遅し。
iPhoneをはじめとして韓国のサムスン製スマホなどが次々と国内で販売され、国内メーカーは既にスマホ後進国となってしまい殆どのシェアを海外メーカーに総ナメにされる事態となりました。これには日本の携帯電話がガラパゴス携帯、いわゆるガラケーが国内で独自のマーケットを築き上げたことに起因すると考えます。

ガラケー文化は世界の携帯電話業界でも異例の機能を誇るなど、ユーザーの利便性を追求するあまり世界標準とはかけ離れた独自の路線で開発が進められ今日まで進化してきました。故にガラパゴス諸島の独特の生態系からヒントを得て、皮肉にもガラパゴス携帯 と呼ばれるようになったのは記憶に新しいところですね。

その間、世界では来たるスマホ市場参入に向けての研究・開発が秘密裏になされていました。そう考えるとiPhoneはまさに黒船ですね。自分も使っていますが国内製品よりも優れていて使い勝手もいいのなら海外製の製品でも違和感なく使えるという事実をiPhoneが教えてくれました。

国内メーカーを擁護したいという考えが無い訳では無いです。そうかと思えば国内メーカーは倒産しかかって海外メーカーからの経営支援を求めるようになっていたり、経理の不正疑惑で倒産寸前に追い込まれたりと失態を晒しています。

これまでの高度経済成長期に登るところまで上り詰めた彼らは、もう努力することを忘れてしまったのでしょうか?。世界の〇〇などと呼ばれてすっかり有頂天になり、しなくてもいいような太陽光事業になんて手を出すからあっという間に経営不振です。

先進技術を持った日本。スマホ分野においては製品をつくるというよりも高性能なスマホの部品を世界のメーカーに対して供給するというだけで企業として生き残っていけるのですから、それはそれでいいと個人的には思います。

 

 

携帯電話料金の肥大化

携帯電話のインターネット接続サービス前(ガラケーの普及のもっと前)の携帯電話の月額料金の平均は大体3,000円から4,000円の間でしたが、スマホの普及に伴い通信量の増加による電話料金も年々高額となり、携帯電話会社の端末の無償販売も終わりを迎えた事も相まって高額な機種代金を毎月の料金に上乗せするようにもなりました。

携帯代ならぬスマホ代は月間10,000円を超える額にまで肥大化します。一人1台のスマホ所持の時代ですから一家4人でスマホを4台持っていれば、1世帯当たりのスマホ料金は40,000円にもなる訳ですから携帯電話会社の一人勝ち状態ですね。

果たして、もしもスマホが普及していなかったら、その浮いた40,000円は各家庭でどのように使われることになったのか?なんて考えると、ちょっとゾッとしますね
最近ではSIMフリー端末の競争が激化していますが、まだまだキャリアの販売合戦は当面続きそうです。

 

スマホの普及率

スマホの普及率は2016年時点で78%という普及率。来るべき時代が来たという感じです。

冒頭で普及率が50%を超えたという話をしましたが、スマホを利用する年代によってもかなりの差があります。

10代のスマホ普及率は2013年6月には67%だったのが3年後の2016年7月には94%にまで伸びました。10代といえば、youtubeを最も利用している世代と言われるヘビーユーザーであり、またツイッターなどのSNSの利用頻度も最も多いです。スマホが普及する理由は分かる気がしますね。

また、60代の利用率にびっくり。2013年には18%だった普及率が2016年は47%にまで上昇。これも冒頭で触れましたが、実際にスマホの方が教える側にとっても教えやすいし、教えられる側もわかりやすいのが最大の特徴と言えます。
ガラケーの場合は、目的の項目にたどり着くまでにメニューボタン(十字キーなど)を何度か押さなければなりません。要するに目的の項目を視覚的に瞬時に判断できません。一方のスマホは、画面のロックを解除すると目的の項目がすでにアイコンで並んでおり、アイコンの色やデザインで視覚的かつ瞬時に判断することができます。LINEは緑、ツイッターは水色など。機械に弱いと思われる年配の方はスマホの方が圧倒的に操作はしやすいのでしょうね。

 

 

Appleの魅力

スティーブ・ジョブズ亡き後も着々と新製品をリリースし続けるアップル。

iPhone 出たての当時、私は正直なところアンチ iPnone だったのです。当時勤めていた会社の社長が真っ先に iPhone に飛びつきました。

「日本にこんな素晴らしい製品があるのにどうして海外製品に頼るのか?日本の消費を拡大しないと!」

と感じたのですが、ある時、会社からの支給で私にだけ iPad を支給されることになりました。
初めて触れる apple 製品。iPad を触って度肝を抜かれましたね。触ったこともないのに直感的に操作出来るのです。しかも操作感は至ってなめらかです。例えるなら未来にタイムスリップしたかのよう。当時 au のガラケーを使っていた私、その世代のauガラケーに組み込まれていた CPU がこれまた処理速度に不評の ”もっさり携帯” に不満を持っていました。その次の機種変で初の iPhoneユーザー となりました。iPhone5でした。
それからiPhone6→iPhone7とそれからというもの、すっかり iPhone 信者となってしまったのです。会社を退職後は、支給されていた iPad2 を返却する羽目になり、手元にタブレットがないと何かと不便なことに気がつきます。結局自腹で iPad Air2 を購入。2016年の夏にはApple TVを購入、そして2016年の年末、初のMacBook Proを購入し現在に至ります。

appleの製品開発は、常にユーザー目線です。そしてその製品は常に斬新です。ビジネスはアイデアなんだということを教えてもらいました。
商売の基本もそうですが、誰もやったことのない商売は成功する確率が高いと言います。appleの製品を使っているとその事実がよく分かります。日本メーカーの戦略に失望した私は、一部の製品だけでも海外製に依存するのもアリだなと感じました。実際にノートPCはDELLですし、仕事用のデスクトップもHPですしね、海外製品依存率はどんどん高くなっています。

 

 

日本製品の将来

これは日本製品の非売運動ではありません。日本製品よりも海外製品が優れているからです。
日本人が海外製品を使う比率が高くなることで、日米の貿易摩擦が少しでも解消されるのなら(無理だな....)とも考えていたり.......笑。

で、気になる日本の将来。

高度経済成長期には凄まじい技術革新で世界の家電をリードしてきた日本製品。携帯電話やスマホも例外ではありません。しかし、携帯電話業界で言えば、ガラケーに依存しすぎたのです。国内のシェア獲得のために各メーカーは必死だったと思います。日本国内の凄まじい価格競争に打ち勝つために他社製品を研究し、新たな製品にフィードバック。

しかし、これは全て携帯電話メーカーが悪いと思いますか?悪いのはキャリアです。キャリアが契約件数のシェアを確保するためには、

まず、

①通話可能エリアを拡大すること、
②機種を充実させること、
③通話料金などのサービスを充実させること

などが挙げられますが、③のサービスを充実させるために試行錯誤してメーカーに要求を果たした結果が ”ガラケー文化” をヒートアップさせた原因ではないかと推測します。他社よりも優れた製品でユーザーを多く獲得したいというのは、作り手にとってみれば死活問題です。しかし電話メーカーも自分たちで勝手に機種の開発は出来ません。キャリアから与えられた要求を満たしていなければ製品は売れないどころか出荷すらできません。

つまり、ガラケー文化を作り上げたのはメーカーではなくキャリアなのではないか?と結論付けるわけです。ガラケー文化を否定している訳ではないし、私自身、ガラケーを使ったコアな世代に当たりますのでガラケーに助けられた部分もあるのです。

しかし、この事実が災いして世界から置いて行かれます。

現在は、スマホに使用するCPUやコネクター、液晶パネル、電池に至るまで日本製品が多く使われていますが、これも日本らしい生き方で良いんではないでしょうか?。製品にすることだけが工業大国ではないです。作ろうと思えば日本という国はいつでも世界一の製品を作り上げるだけの技術力を持っています。製品づくりに拘るのではなく部品を作り輸出することで世界的なシェアを獲得することこそ日本らしい生き方なのかも知れません。

 

まとめ

今回は「日本の携帯メーカーが時代に取り残されたのか」と題して書いてみました。

事実、日本のスマホ市場のシェアはすっかり海外メーカーに奪われる形となってしまいましたが、それはスマホの製品自体の話しであり、実際にそのスマホに使われているコネクターや液晶パネルなどの部品の殆どは日本製です。日本の技術力を海外メーカーも信頼しているという事でしかありません。
ユーザー目線で考えられたガラケー文化が果たして良かったのか悪かったのか?と聞かれれば人それぞれの回答が返って来そうですが、自分は良かったのではないか?と感じます。2016年10月に発売されたiPhone7についても日本の市場に合わせて Apple PAY のサービスを開始したくらいですからね。このApple PAYの導入にもSONYのFerica技術が採用されているというから、やはり日本の技術力やノウハウが生かされている訳ですね。

日本人としては、是非とも日本企業に頑張って欲しいと願うばかりです。
やはり、そこは自分も日本人ですから。

お隣の国にだけは負けてほしくない......というのが本音です。

 

 

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